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絵本紹介~勇気

「勇気 COURAGE」 バーナード・ウェーバー 作 / 日野原重明 訳(ユーリーグ株式会社)

 

ニューヨーク同時多発テロの少しあと、アメリカの絵本作家がかいた本書を2017年7月に105才で亡くなられた高名な医師の日野原重明先生が、日本の子どもに紹介したいと訳されたそうです。

 

この絵本が普通と少しちがうところは、ストーリーがないところ。

子どもの日常でよくある場面を切り取って(めったにないものもありますが)、一つ一つに軽妙なイラストとひとこと添えられたものが36、連なっています。

 

普段、ただ気づかないでいたり、自分では勇気だと思えなかったりして、見すごしがちなことを「これも、勇気」と言い切って 清々しい。

 

こんな言い方は失礼かもしれませんが、息子と初めて読んだとき、著者の’バーナードおじいさん’が、子供にささっと作った話を目の前でしてくれているような親しさ、あたたかみを感じました。

 

「自分には勇気がない」と思いこんでいる(たぶん大勢の)お子さんに一度は出会ってほしい本です。そして「私にも、だれにでも勇気のタネはある!」と言い切ってもらいたいです。

(* 残念ながら現在のところ新刊本は買えませんが、インターネット書店で中古本は買えます)

 

’日野原重明おじいさん’による「あとがき」も本文とおなじように素晴らしいのでお楽しみに!

そして読みおえたらぜひ裏表紙を前にもってきて、表紙とひとつなぎの絵にして見て下さい。

 

木綿子